シン・ゴジラ公開に先立ち,真・キンゴジ!?
会社帰りの電車の中,いいねも来ないSNSを散策してると…
「いいじゃん!4Kリマスター!」
「ん?完全版??」
今回、1962年の劇場初公開以来永らく行方不明となっていたロール1のネガフィルムが発見されたことにより、公開当時のオリジナル版を「ゴジラ」シリーズ史上初となる全篇4Kデジタルリマスターで復元!長年に渡るゴジラファンの悲願がついに実現!!
出典: www.facebook.com
ということで、「完全版」と言っても,いわゆる未公開映像盛り盛り蛇足になりがちな”ディレクターズ・カット版”とか,「おいおい何度目だ!?本当か!?」と言いたくなる”ファイナル・カット版”でもなく,公開当時そのまんまの「オリジナル版」とのこと!!
それだと「そんなの当たり前じゃん!それの何が貴重なの?」と聞かれそうだが,本作は初公開から8年後のリバイバル公開時にマスターフィルムを物理的にチョキチョキ編集してしまったことで有名。しかも切ったフィルムを紛失してしまったというオマケ付き。
VHS→LD→DVD→Blu-rayとメディアと解像度がグレードアップするたびに,この珍エピソードと共に「失われたマスターフィルムに如何に近づけたか」が話題になる珍しい作品でもある。
リリースの度に改変されるスター・ウォーズやブレランなどとは状況が違うのですが,ファンの厳しい目と戦い続けている状況は同じでもある。
あれ!?でもLD制作時に確か「失われたフィルム」見つかったって話じゃなかったっけ??
LD再発にあたりネガ倉庫を丁寧に探した結果、カットされた35mmネガが見つかった。
1970年にオリジナル原版から切り離されたネガは廃棄されず、そのまま20数年間ひっそりと倉庫に眠っていたわけだが、噂によるとこのネガの保存状態がすこぶる良好で高画質だったといわれている。
そして、この発見されたネガを新たな素材として作り替えられたオリジナル全長版が完全復刻版となる。
尊敬する「LD DVD & Blu-rayギャラリー」様が間違っているわけはないはずだが…。うーーん。まぁいっか。
兎にも角にも,本作を劇場で拝むことどころか,ゴジラがこんなに盛り上がること自体,金輪際ないかもしれないし…ダメ元で応募したところ,なんと当選の通知!!ありがとう!スカパー!ありがとう!東宝!
魔都 新宿歌舞伎町へ
歌舞伎町がゴジラ一色!… こんな時代が来るなんて涙。いやぁでもこんだけゴジラ押ししても押し切れない歌舞伎町は流石!
土砂降りでみんな傘をさしてると一気にブレードランナー感が出てきますね。
ゴジラファンの新たな聖地になった感のTOHOシネマズ新宿。
ファロ島で魔獣が目覚めたからなのか,収まらぬ豪雨と爆雷の恐怖に慄きながら館内へ。
発券完了!!
いざスクリーンへ!
劇場スペック
劇場名 | TOHOシネマズ 新宿 |
スクリーン | SCREEN 5 |
座席数(車椅子用) | 184+(2) |
スクリーンサイズ | 4.0×9.6m |
音響 | デジタル5.1ch |
中規模のスクリーンに若干しょんぼり。新宿まで来たのにTCXじゃないのかぁ…。
若干前過ぎかつ右よりですが…舞台挨拶もあると考えるとまぁまずまずの席でした。
語られる「完全版」の真意
試写の前にはスペシャルトークショー。ゲストは,当時を知る大御所 中野特技監督(すごい方の日本沈没と84ゴジラの特技監督)と,進撃の巨人で崖っぷちの樋口特技監督(恥ずかしい方の日本沈没とシン・ゴジラの監督)。お二人ともトーク能力はめちゃくちゃ高いので時間一杯濃厚な時間でした。佐野さん必要だったかな?w
「デジタル技術というのはどうなってるんだと言いたいよね」と切り出した中野は、「博士役の平田昭彦が記者から質問を受けるカットで、真冬の撮影だったんでクローズアップ用に霧吹きで汗を苦労して作ったのに、初号(試写)を観たら何も映っていなかった。でもそれが今回はまともに映っている。僕はただひたすら驚いた」とコメントした。
また藤田役の佐原健二氏がベランダに特殊繊維を張ってぶらさがるシーンでも、横方向にある糸が4Kできちんと見え、これが「ボーとしていても見える。半世紀以上経っているのにわかるのが驚きです。作品として写ってはいけないものもあるので、4Kの絵を円谷さんがみたら驚くでしょう」(中野さん)と率直な感想を語ってくれた。
なるほど。4Kという潤沢な解像度は,35mmフィルムを凌駕し,劣化なき上映システムを含めると,ついに「マスター越え」を成し遂げられるということか。
「再現版」でも「復元版」でも「復刻版」でもなく,「完全版」と銘打った本企画の責任者に脱帽だ。
見せて貰おうか。4K上映の性能とやらを!
トークも終わりついに上映開始。樋口監督とチキロさんが自分の席の真後ろということにちょっとドキドキしながら作品を堪能。
中野監督の煽り文句に偽りなし。DVD以来の鑑賞だったことも相まり、そのクリアで鮮明な画実に感動。4K平成ガメラでは味わえなかった「ハッとする」性能を見せて貰えました。